創作– category –
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【擬音短編集】キンヨロー!
「ぴーひょろひょろ」遠くからトンビの鳴き声が聞こえてくる。 何とも情けない声だ。 だってそうだろ?鷹の仲間で、勇猛果敢な出で立ち。肝心の鳴き声は「ぴーひょろひょろ」? この差はあまりにも大きい。 ピーシャラピーシャラ踊ってるのか?そんな、情... -
【擬音短編集】すーすー、夢のむこうへ
彼女は幽体離脱をしている。 なぜそう思うのかは、わからない。 であるが私は確信している。 彼女の寝息がすぅすぅと静かに音をたてているからか?それだとだって幽体離脱していることになる。人はみな、夢という世界に幽体離脱しているのかもしれない。 ... -
【擬音短編集】へったりと、生きている
「あぁ、なんて日常は、こんなにも平凡なのだろう」私は思わず、大通りで天を仰いで唾す。 この世界というのは、やる必要のないやるべきことが多すぎる。テクノロジーが発展して、本来であれば生きる上では3~4時間も労働すれば充分生きて生きるだろうに。... -
【擬音短編集】てらてらの頬
私の家は豊かな方ではない。それに気づかされたのは、小学校に入ってからだ。 私の家にはあまり物がなくて、長く使い古されたものばかり。使えるところはダメになるまで、トコトン使うという決まりがある。であるからに、私が新しいものを欲しがろうとした... -
【擬音短編集】ダビデ像にはなれないけれど
僕は初めて、ジムというやつに来ている。友人と二人で。最初は、ムキムキマッチョな人たちばかりなのだと思っていた。僕がジムに来たきっかけは、友人に言われたからだ。 その日の前日、僕は学生の頃からの付き合いである友人に思い切って相談した。「マッ...
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